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『QUATTRO × nau MO'SOME TONEBENDER』

MO'SOME TONEBENDER no evil night special “STRIKES TOKYO”
10/25 @渋谷 CLUB QUATTRO Live report

破壊と再構築の果てに、モーサムがたどり着いた夜

テキスト:安達きみ乃

MO'SOME TONEBENDERは常に革新的で、挑戦的なバンドだ。アルバムごとにいつも新しい彼らの音を聴かせてくれる。しかし今回の“実験”は、これまでに類を見ないほどに新しい。

ステージに登場したのはモーサムの3人+サポート・ドラマー。正式なドラマーである藤田は袖から出てきた時点でヘッドレスのギターを肩にかけていた。1曲目の「Young Lust」から、ツインギターが炸裂する。スリーピース・バンドとして、最大限の可能性を追求し続けた彼らはついに、スリーピースというスタイルすらもかなぐり捨てたのだ。

いや、その言い方には語弊がある。本来のドラマーがギターソロを弾き、サポート・ドラマーが激しいドラミングを披露する。10年以上同じ編成で活動してきた彼らにとって、この実験は“大事件”のはずだし、少なくとも、ファンから見ればそうだ。しかし彼らには、“壮大な実験をやっているのだ”というような気負いは見られない。あくまで自然に、自らがやりたいモーサムを追い求めた結果がこの編成だったのだろう。

だからだろうか、この日の彼らのサウンド面の印象はむしろ、改革というよりも原点回帰に近かった。もともとの持ち味である、音の迫力で聴衆を黙らせるかのような、説得力に満ちたロックンロール。誰も聴いたことのないモーサム、というよりは、彼らが今まで積み上げてきたあらゆる手法が合わさったモーサムのロックを、より突き詰めたかのような。

途中、立て続けに披露された新曲2曲も、その延長線上にあるものだったように思う。まずは「youth」。サビのメジャーコードで一気に視界が開けるかのような、疾走感あふれるロックナンバーだ。続けて演奏された「けだるいdays」は、一転、ミドルテンポで歌い上げる暖かみのある楽曲だった。

そして、「ニューアルバムから、新しいテーマソング!」という紹介の後に演奏された「Hammmmer」という楽曲が、実に見事だった。激しく打ち鳴らされる打ち込みのリズムと生のパーカッション。早口でまくしたてるAメロから、徐々に音程を上げて行くコードに追いつめられるかのようなBメロ、それが一気に爆発するサビ。確かにこれは、彼らのテーマソングとして申し分ない。そこから本編ラストの「BIG-S」まで、まさにノンストップでライブは続いた。

圧巻だったのはアンコールだ。最高のポップソング「We Are Lucky Friends」に始まり、痺れるほどかっこよかった「凡人のロックンロール」、そして、ついに藤田がドラムセットに腰を下ろした「GREEN & GOLD」。轟音が光の洪水のように押し寄せてくる。この日唯一、ツインドラムで演奏されたこの曲が、信じられないほど、美しかった。

彼らはいつだって、揺るぎない芯と確固たる意志を持ちながら、変化を恐れず、次々と新しい境地へと踏み込んでゆく。MO'SOME TONEBENDERは、もしかしたら最強のバンドなのではないか。アンコールを終えても拍手が鳴り止まず、熱気に満ちたクアトロの場内を見渡しながら、長年に渡るそんな疑念が、確信へと変わりつつあるのを感じていた。

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『QUATTRO×nau 20101025 MO'SOME TONEBENDER』
MO'SOME TONEBENDER
2010年11月30日発売
1000円
  • Young Lust
  • happy icecream
  • youth
  • ハラヒレ
  • ばちかぶれ!
  • TIGER
  • BIG-S
  • GREEN & GOLD
nauで購入!

プロフィール

MO'SOME TONEBENDER

1997年福岡にて結成。
メンバーは百々和宏、武井靖典、藤田勇。