今までになく柔らかな希望に満ちたメッセージを投げかけてくれた前作「ハレルヤ / ボクを信じて」からおよそ3ヶ月。BUGY CRAXONEの配信限定シングル第2弾が到着した。寒い冬の日の景色を切り取った「マンハッタン・ストーリー」、そして、ハチャメチャな歌詞と速いテンポで駆け抜けるロック・ナンバー「レモンジュース」。
肩のの力が抜けつつも、しっかりとこの先の自分たちの姿を見据える今の彼らが鳴らす音楽は、聴くものの心に優しく力強く、寄り添ってくれる。
[movie info]
Include music:
マンハッタン・ストーリー
レモンジュース
ハレルヤ
ボクを信じて
Interview:安達きみ乃
Direction + Camera:ツツミケント(nau)
今までなら、できていたとしても、ありっていう判断をしなかった曲
――前回、「ハレルヤ / ボクを信じて」のリリースの時、「珍しくとてもポップな曲たちだけど、次はもっとBUGYっぽいガツンとした曲も来るかもねー」なんてお話を伺っていまして。
鈴木:ああ、言ってた。
――でも、今回の2曲を聴いてみたらなんだか、とてもかわいらしくて。特に「マンハッタン・ストーリー」のほうは、鈴木さんのコメントにも「跳ねるビートがあまり得意ではないのだけど」とありましたが、リズムがとても珍しいなと思いました。最初に笈川さんが持ってこられた時から、ああいう跳ねた印象の曲だったんですか?
旭:せーの、でやってああいう感じだったよね?
鈴木:……はい。
旭:あ、覚えてない(笑)?
鈴木:あんまり覚えてない(笑)。
――最初に合わせたのっていつ頃なんですか?
笈川:下手したら一昨年。
旭:そうだね。一昨年から手を付けてた。
ーーじゃあ、しばらく眠っていたというか……。
鈴木:いや、歌詞がずっとできなかったのかな、いつも通り。
――スープに息をふきかけるっていう描写とか、とても冬っぽいですよね。
笈川:都会の冬っぽいよね。
旭:北海道っていうより、東京っぽい……。
笈川:あ、マンハッタンか(笑)!
――マンハッタンはどういうイメージの街ですか?
鈴木:なんとなくですけど、ビジネス街のような感じのところで、社会の一員としてしっかり働いている人たちがいっぱいいる中で、そうじゃない暮らしをしている人もいて……という雑多な感じを想像してて。どちらかというと、社会人として働いている人の目線というよりは、そこには入っていない人の目線で書きました。
――最初に聴かせていただいた時に、なんてかわいらしい曲なんだろうと思いました。かわいらしいっていう形容をBUGYの曲に使うこと自体がなかなか新鮮ですよね。
鈴木:まあ、かわいげがあるほうがいいかなっていう程度ですけど(笑)。今まで、跳ねたリズムの曲が苦手だったのは、どういう歌詞を乗せていいのかが全然わからなかったから。今回は風景が見えやすかったっていうのと、そういう曲に対する自分なりのアプローチの方法がひとつわかったので、たぶんこれからはいっぱいできると思います。
――笈川さんと旭さんは、歌詞を読んでいて新しい扉が開いたなっていう印象を受けることはありますか?
旭:そういう曲も由紀ちゃんの頭の中にはもともとあって、表現が変わっただけで、そんなに大きくガラっと変わったなっていうイメージはないんですよ。
――表情の出し方がまたひとつわかるようになった、というほうが近いでしょうか。
笈川:今までなら出さなかったね。
鈴木:そうだね。まず作りきれなかったのと、できてたとしても、ありっていう判断をしなかった気がする。
――それは、BUGY CRAXONEというバンドの曲として、違うっていうことですか?
鈴木:それもあると思うんですけど、私がまず、曲を理解できなかったら歌詞を書けないから自動的に出せなくなって、無理やり書いたとしてもすごく心苦しくて、やりたくない方向に徐々に持って行くというか。人様の目には触れずに終わってたんじゃないですかね。
――また幅が広がった感じですね。
鈴木:そうですね。きっと言えることも増えてきてるのでしょうし。
レコーディング前日に行われたスケート場でのアーティスト写真撮影
――すごく風景が浮かんでくる曲ですよね。ジャケット写真もスケート靴が素敵で。
鈴木:急遽、滑りました。
――本当にスケート場で撮影して滑ったんですか?
旭:「明日スケート行こう!」みたいな。
――楽しそう!
旭:「絶対ケガする、絶対ケガする」って言いながら(笑)。
笈川:レコーディングの前日だったから、ケガだけはしないようにしよう、って言って出かけたんだけど、滑り始めて一発目に(旭が)転んだ(笑)。
旭:手のひらに青タンができた(笑)。
鈴木:どうせなら骨でも折れば良かったのにねえ(笑)。
笈川:でも、期待通りだったね。
――誰がいちばん上手でした?
鈴木:私!
笈川:嘘だよ、俺だよ!
旭:由紀ちゃんが……ってことにしとこう(笑)。
鈴木:笈川くんはあんまり滑る時間なかったからね、忙しくて。
笈川:だって俺、今までそんなに滑ったことなかったのにあれだけ滑れたってすごくない?
鈴木:それは知らないよ(笑)。回れたもん、私。
――すごい!
鈴木:飛んでないですよ、飛んでないですけど。ゆっくり。
旭:ゆっくりね(笑)。
――PVを笈川さんが監督で撮られたということなんですが、スケート場でも撮影されたんですか?
笈川:スケート場も撮りました。
鈴木:たぶん回ってます、私。
笈川:どれくらいゆっくりかがわかる。
――回ってるシーンも入るかもしれないんですね(笑)。シチュエーションとしては、他にいくつも撮られたんですか?
笈川:これからです(笑)
――あ、まだ撮影途中なんですね。
笈川:レコーディングと平行してやってるんで……。できるのかな(笑)。
――なぜ笈川さんが監督をやることになったんですか?
鈴木:話してたら面白いことをいろいろ思いついたから、「あんまり時間はないけど、考えてることの範囲だったら、そんなに手間もかかんないし、人の数もいらないし……」ってどんどん話が進んで。
笈川:昔、「チーズバーガーズダイアリー」という曲でも監督をやったことがあって。その感じでまた好きなようにやれればな、と。絵コンテ書いて。
旭:絵コンテ見てほしいなあ、笈川画伯の(笑)。
――そのPVは、このインタビューの映像とともにアップされるとのことなので、楽しみにしております!
鈴木:予定っていうか、そういう約束(笑)。
曲の雰囲気だけに持っていかれないように、歌詞を書けて良かった
――もう一曲の「レモンジュース」は、ライブですごく盛り上がる曲として、すでに定番となっていますが、こちらはカントリーっぽい曲調ですね。
鈴木:そうですね。そっちのリズムも苦手なんだな。それしかもう想像できないっていうくらい、単純だから。それを自分なりに解釈することを、やっと少しだけ、できるようになった。
笈川:たぶん、ジャンルそのまんまっていうのがあんまり得意じゃないし、好きじゃないんだよね。
鈴木:これも笈川くんのギターが良かったから、進められたかな。
笈川:でもさ、由紀ちゃんが作らなかった? イントロのリフはこれで弾いてって言われたような気がする。
鈴木:一瞬弾いたのをやめようとしたから、「それをずっと弾いてたらいいじゃない、一生」って言ったような気がします(笑)。
――カントリーのリズムに乗った、にぎやかなリフですよね。でも、歌詞はカントリーに決して引っ張られていなくて。
鈴木:「レモンジュース」は私そのままかなって思います。ひっちゃかめっちゃかな感じですよね(笑)。あれはわりと楽に書けたんだよ。5分くらいで書いたかな。
旭:極端だなあ(笑)。
鈴木:リハである程度、構成も決まって、「よし、じゃあ今日はこの曲の歌詞を書こう」って思って、家で机に向かってから5分くらい。
――すごい! かっこいいですねえ。
鈴木:ありがたかったですね。「よかった。こんなに楽にできる時もあるんだ」と思って。たしかテレビで、(椎名)林檎ちゃんがガムのCMで旗を上げながら歩いているのを見て……。なんて言うんだっけ、「赤上げて、白上げて」っていうあれ、私、できないんですよね。すぐわかんなくなっちゃって。「そういえば私、あれできないわ」って思ったら、いいかそれで、みたいな。だから椎名さんのおかげですね(笑)。
――前回はすごく、メッセージ性が強いというか、人に向かって投げかけている曲だなと思ったのですが、今回はそうではなく、映画を見る感覚に近いなと思いました。
鈴木:個人的な話ですけど、しっかりと書きたいっていうのはあります。曲の雰囲気だけに持っていかれないように。それができたのは、良かったなあって思います。
できないことができるようになった、有意義な4年間
――そして、夏前にはアルバムの発売が予定されているとのことですが……。収録曲はもう固まっているんですか?
笈川:まだ、ざっくりとしか。
鈴木:でも、もう録ってるからね。できたものを入れるつもりです。
――すごく久しぶりのオリジナルアルバムですよね。
笈川:すごい久しぶり。ハロー(「Hello, Punk Lovers」)って2008年だから、4年ぶり?
――2008年ってそんなに前なんですね……。
笈川:もう中学校卒業しちゃってる(笑)。
鈴木:たぶん、その4年の間にできないことができるようになりましたな。ちょっと時間をいただいたっていう感じですよね。バンドとしては活動休止とか言わないし、言うタイプじゃないんで、そおー……っとやってましたけど(笑)。
旭:バレないように(笑)
鈴木:その間、そういった個人的なことをやってましたね。ずっと考えてた。そういう明るい曲も書けるようになりたいなって思ってたし、それができなかったとしたら、たぶんもう、つまんないからやりたくないなって思うなって、思ったから。だからこれからは大丈夫、じゃないかな?
――すごく有意義な4年間だったんですね。
鈴木:だと思います、はい。
――配信の前回の2曲と今回の2曲を聴いただけでも、4年間の間にいろんなことがあって過ごしてきたことは伝わってきます。楽しみにしています!
鈴木:そうですね。なかなかいいのができると思われますね。はい。
無駄のないシンプルでしっかりしたものを、いいテンポで聴いてもらえるように
――そして、次回のCOUNTERBLOWが、3月18日にうつみようこさんを迎えて開催されます。すごく盛り上がりそうですね。
鈴木:はじめてライブでご一緒したのはもう何年も前ですね。たぶん、BLUE MOVEeっていう、ようこさんの別のバンドがいちばん最初で。あとは去年、怒髪天&THE JOE-NETSのツアーで、ずっと一緒に過ごさせてもらったので。
――うつみさんはどんな方ですか?
鈴木:すごく可愛い人ですよ! 気配りのできる、猫みたいな感じの可愛い人です。そして声がデカイ(笑)。
――歌もすごくパワフルですものね。
笈川:今回はちょっと特別な編成だもんね。うつみさんと、キュウさん(クハラカズユキ)と、OHIO101の鈴木さん(スズキジュンヤ)。CryDeath(クライデス)というバンドを結成してくださって。
鈴木:いいバンド名だよね。
――3月のライブではアルバムの曲も聴けそうですか?
笈川:やりますよ、もちろん。
鈴木:みたいです(笑)。ぜひぜひ、お越しください。
――では最後に、この作品を聴いてくださる皆様にメッセージをお願いいたします。
鈴木:4年間ゆっくり熟考してきましたし、やる気はいつも通りあるし、たぶん大丈夫だと思います。今年以降は、無駄のないシンプルでしっかりしたものを、いいテンポで、皆様に聴いていただけるようになろうと思います。
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BUGY CRAXONE LIVE SCHEDULE
3月18日(日)@渋谷Star lounge
『COUNTERBLOW022』
[open/start] 18:30 / 19:00
[with] CryDeath【うつみようこ(唄とギター), スズキジュンヤ(OHIO101・ギター), クハラカズユキ(ドラム)】
[ticket] adv:2300(DRINK別) door:2800(DRINK別)
プロフィール
BUGY CRAXONE
1997年5月結成。99年3月Victor Entertainmentよりデビュー。2003年4月レーベルとマネージメントを兼ねた『ZubRockA RECORDS』を設立。07年、増子直純(怒髪天)主宰のレーベル『Northern Blossom Records』で活動開始、自主イベント「COUNTERBLOW 」も継続して開催し活動の幅を広げる。
2011年、2度目のRISING SUN ROCK FESTIVALへの出演を果たすなど、ライブパフォーマンスに定評のある彼ら。今後の活動に乞うご期待!!









